土地建物の持ち主が亡くなると、相続の手続きが必要になります。
遺言がなく、法定相続人が複数いた場合には、相続協議に手間取ることもあり時間がかかる場合があります。
そんな時、固定資産税の通知が来たらどうしたら良いのでしょう?
■相続協議が長引くのはなぜ?
相続協議だなんて、ドロドロしたものは放棄すればスッキリする…そんな風に思えますが、手続きそのものが簡単に進められないことがあるのです。
遺言が残されている場合は、亡くなった方の意思が尊重されますが、遺言がない場合には、法定相続人にあたる人全員の意思確認が必要になります。
中には、法定相続人がご本人の兄弟やその子供などが含まれる場合もあります。
血縁関係を調べるために戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人にあたる人すべて、遺産の相続についての意思確認を取らなければなりません。(放棄や委任など書面にサインと印鑑が必要です。)
中には連絡が取れない人がいるケースもあり、個人には手に負えない場合もあります。
■固定資産税を払わないと競売になることも!
「誰の所有か決まらないうちは、払う人がいないのだから仕方ない」と言うわけには行きません。
固定資産税の納付通知書がとどいてから放置し続けると、相続人全員に支払い義務がありますから、差し押さえや、競売にかけて現金化し、納税という状態になる可能性があります。
土地建物を残したいのなら、協議が完了するまでの代表者を決めて納税通知を受取り…
①お金を立て替える形で肩代わりする
②相続人全体で出し合って支払う
物件の分割に困るようなら、売却して分配するしかありません。
それにしても、いったん誰かが相続して、登記しなければ売却することも出来ません。
この時の、登録免許税や仲介手数料をどうするかも協議しなければなりませんから、弁護士への相談が必要になるかもしれません。
■固定資産税でのトラブルを避けるためには?
ポイントは…
①土地建物を手放したくない場合には、固定資産税は誰かが払い続けなければいけない。
②登記上の所有者でなければ売却出来ない。(故人の名義のままでは売却できない)
<トラブルを避けるために>
・遺産の分配の方法を遺言にしておいてもらう。
・所有者が亡くなったら、固定資産税の支払いのための代表者を決めておく。
・売却するには所有者を登記し直さなければならない。
・生前に子供などに引き継いで所有者を登記し直しておく。
・生前に売却して現金化して相続しやすくする。
地域の不動産屋は地域の事情に通じていて、相場感があるので、できるだけ高くスムーズに売却先を見つけてくれるでしょう。