新築で購入した住宅も、住んで手放すときには中古住宅となっています。売主としてはそのような住宅を売りに出すときに、できればトラブル無く売りたいものです。インスペクションはそのような売主や、購入する側の建物の品質への不安を払拭するためにも有効な手段です。では、インスペクションを行う前に踏まえておきたい、国土交通省が策定した既存住宅インスペクション・ガイドラインについて見ていきましょう。
■ガイドライン策定の背景・目的
中古住宅は、新築時の品質や性能の違いに加えて、その後の経年劣化の状況や手入れの仕方によって物件ごとの品質などに差があることから、買主になる側は、その品質や性能に不安を感じることになります。このようなことから、昨今では物件の状態を把握できるインスペクションへのニーズが高まってきているという状態があります。
しかし、最も基礎的なインスペクションである目視等を中心とした住宅の現況検査が、検査等を行う者の技術力や検査基準等が事業者ごとに様々な状況であることから、検査方法やサービス提供に際しての留意事項等について指針を示すこととなりました。
■現況調査の内容
戸建て・共同住宅いずれも対象となり、売買する物件について基礎・外壁等の住宅の部位毎に生じているひび割れ、欠損といった劣化事象や不具合事象の状況確認は目視を中心とした非破壊調査で把握し、その調査・検査結果を報告することになります。
上記のことから、ガイドラインの検査方法としては主に目視。住宅の傾きやひび割れの大きさなどは一般的な計測器を用いるまでとしていて、詳細な破壊調査は対象外とされました。
■検査対象について
検査は、対象部位ごとに劣化事象の有無を確認するもので、主な劣化事象でいうと
◎構造体力上の安全性に問題のある可能性が高いもの
◎雨漏り・水漏れが発生している、または発生する可能性が高いもの
◎設備配管に日常生活上支障のある劣化等がしょうじているもの
とされいて、現況検査の対象の範囲は
▽現場で足場等を組むことなく、歩行その他通常の手段により移動できる範囲
▽戸建住宅においては、小屋裏、床下については点検口から目視できる範囲
▽共同住宅においては、専有部分及び専用使用しているバルコニーから目視可能な範囲
とされています。簡単には移動できない家具などで隠れている部分については、目視できなかったことを、その箇所と理由を報告することとされました。
■まとめ
このガイドラインに示されていることは基本的な事項です。住宅の売買を検討されていらっしゃるのでしたら、売主として、買手側の気持ちに寄り添い住宅の状態を開示していくことが大切です。
住宅の売買を検討されている方は、ライフトラストまでご連絡ください。ライフトラストがあなたの売却活動をサポートさせていただきます。