不動産売却でまとまったお金が入ると、収入があったとみなされて、健康保険料が高くなる場合があります。
不動産売却後に、どれくらい保険料が高くなるのか気になります。
不動産売却で健康保険が高騰するケースについてお話しましょう。
■健康保険の種類をおさらい
まず、健康保険の種類をおさらいしておきましょう。
・健康保険:一般的な会社員が加入。保険料は労使折半。
・共済組合保険:公務員、私学教員などが加入。
・国民健康保険:自営業、自由業が加入。
・後期高齢者医療制度:75歳以上の高齢者が加入。
ざっくりいうと、前年の収入によって保険料が変動し、収入が多ければ保険料も多くなります。
不動産売却では、いつもの年収を超えるような高額な売却額になるケースが珍しくありません。
健康保険や共済組合では、不動産売却の収入は一時所得として、保険料の計算に含めないとしていますが、扶養されている配偶者や親族の場合には注意が必要です。
『60歳未満130万円、60歳以上180万円以上、且つ被保険者の収入の1/2を超える』この条件に当てはまると、扶養者から外れ、国民健康保険加入となります。
切り替えの必要に気づくのが遅れると、返還請求されることがあり、注意が必要です。
(参考)『神奈川県市町村職員共済組合』
http://www.kanagawa-kyosai.jp/shikumi/hihuyousha.html
■国民健康保険と後期高齢者医療保険に注意
国民健康保険、後期高齢者医療保険では、不動産売却で得た収入が、翌年の保険料算出の所得に影響しますから、保険料が激増するケースが出てきます。
ある程度の額を超えると保険料は頭打ちになりますが、平均的な保険料と比べると随分違います。
平成28年に不動産を売却した場合、翌年、平成29年6月に決定する保険料が最高額まで上がっていて驚いたということが起きるのです。
住んでいる地域によって幅がありますが、平成28年度保険料は、横浜市で89万円、世田谷区で77万円が最高額です。10期払いの場合1期あたり8万円前後の保険料になるでしょう。
世田谷区の条件でシュミレーションすると、40歳~64歳の既婚者世帯で、夫の年収600万円、妻の年収100万円のケースで年間548,410円。
不動産売却で300万円を超えると最高額の77万円に到達します。
(参考)『横浜市国民健康保険料試算ページ』
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kokuho/20160309193553.html
(参考)『東京都 国民健康保険計算機』
http://www.kokuho-keisan.com/list/list.php?pref=13
■税制との違いにも注意!
不動産売却で所得があっても自宅住宅の売却の場合、確定申告での課税額は3000万円の控除が認められています。
これは税金を軽くすることは出来ても、国民健康保険の保険料算出の基準額には影響しません。
先程の事例のように、300万円程度の所得でも保険料が大きく変わる可能性があることを覚えておきたいですね。
(参考)『国税庁 マイホームを売ったときの特例』
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm