下流老人や老後貧困などの言葉が聞かれますが、住宅ローンにつまずいたことや、持ち家の維持費が苦しくて貧乏になってしまったというケースがあります。持ち家貧乏に陥らないためにはどんなことに注意したらよいでしょう?
■住宅ローンが支払えなくなって…
住宅ローンが支払えなくなった場合、家を手放して引っ越す事になりますが…
ケース① 売却したお金でローンが完済できる場合
⇒ 住宅ローンはなくなり、生活レベルにあった賃貸で暮らしの立て直しをはかる。
ケース② ローンが完済できる金額では売却できない場合
⇒ 金融機関と相談の上任意売却して残額を返済する。借金を残したまま引っ越さなければならず、生活の立て直しも苦しい。
住宅ローンは借入額が収入の何倍にもなることが多いですし、返済期間も長期になります。
生活の変化に対応できる余裕のある計画が立てられれば良いのですが、社会情勢、健康面、自然災害など、誰にも予想できない事態が起こることもあります。
ケース②の場合には、歯を食いしばってなんとか返済できるものならと徹底的に切り詰めた生活を実行しようとする人もいるでしょう。
■持ち家を持っているのにガマンの連続
一般的に予想できるリスクに対応できる計画を立てることが大事ですが、持ち家の計画を立てている時には、「家族旅行をやめれば」とか、「外食をやめれば」とか、今の生活の何かをやめれば払えと考えて無理しがちです。
他の人が羨むような持ち家に住んでいるのに、食べたいものも着たいものも我慢している生活では、ストレスがたまります。
持ち家なのに教育資金さえためられず、任意売却で借金が残ってしまう…なんてことになれば、家を買ったことを後悔することになるでしょう。
また、なんとかローンを返済し終えても、その後の固定資産税と修繕費用が負担になることもあります。
家はあるけれど、お金に困る状況が続いてしまうのです。
■持ち家購入を後悔しないには?
子育てをのびのびとできる環境が欲しい、趣味にあった住まいで暮らしたい…持ち家購入の目的は皆さんそれぞれです。
ここで、余裕のある資金計画の範囲内で購入できる家なら、持ち家貧乏になるリスクを回避できます。
「周りの人が購入しているレベルの物件だから、自分もなんとかなるのではないか」という計画の甘さが、持ち家貧乏に直行させます。
生活水準や価値観、お金の使い方は、人それぞれです。
フラット35の融資限度では、年収に対する返済率30%程度でも審査に通ります。
ありがたいことですが、それだけ返済の荷重も大きくなるということです。
長期間それだけのローン返済ができるのか、現実的な状況をしっかり見て判断しなければ、持ち家貧乏になってしまうのです。