住宅ローンは金額が大きくなりますし、借入期間が長期になれば利息のおかげで返済総額が高くなります。
このところ、低金利が続いていますが、やはり前倒しでローンを返済した方が良いのでしょうか?
ローン返済の前倒しについて考えてみましょう。
■返済期間短縮でメリットはどれくらい?
利息は、融資額の大きさと返済期間の長さに左右されます。
もちろん、借入期間が短いほうが、利息の支払い額は小さくなりオトクに感じます。
2,000万円借りて金利1.6%の場合、20年返済の総返済額は23,383,478円、35年返済では、26,132,700円になります。
金利が低いと言っても、利息分の支払いが600万円以上になるのはもったいないですし、なんとか20年返済で…という気持ちになりますね。
ただ、フラット35では、繰り上げ返済するには100万円以上でなければなりません。
また、ローン返済開始から10年間は、年末のローン残高に応じて税金が返ってくる“ローン減税”があります。
どんどん前倒しで返済することが必ずしも良いとは限りません。
もともと、手持ちの資金に余裕があるのなら、頭金を多めにして、借入額を減らした方が良いでしょう。
手持ちが不足なので借り入れるのですから、バランスをよく考える事が必要です。
■住宅ローンで後悔するパターン
ローンをできるだけ借りないで済ませられたら、利息が少なく済みます。
しかし、ためてからマイホーム購入というのでは、年齢が高くなってしまいますし、子どもたちの独立が近づいてしまい、購入したわが家に家族で暮らせる期間が短くなってしまいます。
ある程度人生設計が見えてきたところで、ローン組んで住宅購入というのは自然な流れです。
ここで、利息を気にするあまり、繰り上げ返済に励んだ結果、貯蓄の余裕がない状況に陥ってしまうと、些細なアクシデントでローン返済を滞納するリスクがあります。
生活費半年分の貯金、近い将来必要になる教育費など、取り崩してはいけないお金に手をつけずに出せる分が、繰り上げ返済に回せる分です。
■住宅ローンの利子を抑えたいなら…
・必要最低限の借入れに抑え、借入期間を短くする
・余裕ある返済プランが組める範囲で予算を組む
・少額からの繰り上げ返済を受けてくれるローンにする
計画的に家計をコントロールして、貯蓄ができるのが理想ですが、予想通りに収入が伸びでいかないこともあります。
また、多少収入が上がっても、教育費が大きくなることもありますから、収入は控えめに予想して、その中でやりくりできる予算で住宅購入の計画を立て、収入が上がったときに返済計画を見直す…と言ったやり方が安全です。