中古住宅を資源として活用する動きが盛んになって来ました。住宅の性能を正しく判断する基準があれば、中古住宅を安心して購入する材料になります。また、住宅を売りたいと考える側も、ホームインスペクションを受けることで、妥当な資産価値で売却できます。2018年4月から施行されたホームインスペクションについて紹介しましょう。
■ホームインスペクションとはどんなもの?
日本語で言い換えると、住宅の健康診断と言えます。
目でみて判断できるレベルでの、住宅のコンデションを診断する作業です。
私達が健康診断を受ける場合には、かかりつけ医が一時診断を行い、さらに不安要素が見つかれば、医療機器のそろった専門性の高い病院にかかり、治療を受けます。
それと同じように、中古住宅を販売する際には、ホームインスペクションを受け、修繕が必要な部分、瑕疵について“重要事項説明”という形で、購入希望差に伝えます。
第三者の視点で、物件の状態の評価を知る事ができるので、適正な価格設定がしやすいメリットがあります。
この、ホームインスペクションを行う資格者(現在は民間資格)を“ホームインスペクター”と呼びます。
■2018年4月から義務化された内容
<媒介契約締結時>
・ホームインスペクション業者、検査・保障業者の紹介が可能か伝える
・紹介可能な場合、会社名を紹介する
<重要事項説明時>
・ホームインスペクションの結果を知らせる
・ホームインスペクションを実施していないときにも知らせる
<売買契約締結時>
・基礎・外壁の原状を売主・買主が確認
・宅建業者から書面で内容を交付される
ホームインスペクションを受けて、問題なしと判断され、瑕疵保険が適用されれば、「すまい給付金」、「登録免許減額」、「住宅ローン減税」などの優遇措置がうけられる可能性があります。
また、瑕疵保険加入の物件は、見つけられなかった不具合があとで見つかった場合に、保障されるメリットがあります。
■不動産を売りたい時には説明のしっかりした業者に
ホームインスペクションや重要事項説明を、きちんと行っている業者は信用できますね。
新しく導入された仕組みですし、ホームインスペクターの数も少なく、中には紹介を扱っていない不動産業者もあるようです。
会社名だけでなく、見積もりなど細かい内容までの案内に対応でき、法律遵守の誠実な取引を行っている不動産業者なら高値で売買できる可能性が高いのではないでしょうか。