インスペクションとは、視察や検査・点検などを意味しますが、ホームインスペクションとは「住宅診断」のことをいいます。大手メディアでも取り上げられる機会もあり、不動産業界のみならず周知の方もいらっしゃるとは思いますが、ホームインスペクションについては2018年4月から法改正があり、一定の義務を課されることになりました。では、その基礎知識を理解しておきましょう。
■対象物件
ホームインスペクションは以前から新築住宅に対しても、中古住宅に対しても任意で利用されてきました。しかし、今回の法改正があり、利用者が大幅に増えることになるでしょう。
ただし、義務化の対象となっているのは売買の対象となっている戸建て住宅、共同住宅、リフォームの実施前後のみです。
その背景には、日本の空き家事情があり、5年毎に行われる住宅・土地統計調査では空き家の数は調査のたびに増加している傾向にあり、これを売却するためにも建物の劣化・不具合に起因するトラブルが多いこともあることから、空き家の所有者としては建物の状況をできる限り正確に把握し、事前に補修等の対応が理想とされることをふまえ、ホームインスペクションを利用するということが望ましいということになりました。
■義務化されたのは説明と紹介・斡旋の可否の告知
先にも触れましたが、法改正により2018年4月から中古住宅取引の際にホームインスペクションの説明が義務化されました。これは、宅建事業者は「中古住宅の媒介契約時・売買契約前の重要事項説明時において、建物がホームインスペクションを受けた履歴があるか?実施する意向はあるか?」を確認する必要があるということになります。
■どんな診断をするのか
住宅に精通したホームインスペクターが第三者的な立場から、また専門家の見地から住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所などを、主に非破壊の目視調査でおこない、確認できる範囲で建物のコンディションを把握したり、推測することができる範囲で行います。
雨漏りの形跡などが見られえた場合、天井の中などの隠れた部分やリスクを払拭できない箇所は破壊調査も含めた詳細の調査の検討も必要になるかもしれません。
■まとめ
ホームインスペクションは、中古住宅の取引をよりスムーズで安心できるものにするためのサービスです。建物の状態を把握したうえで売主、買主も安心して気持ちよく中古住宅の売買ができるように取引したいものです。
住宅の売買に関するご相談などございましたら「ライフトラスト」までお気軽にご連絡ください。